幸せの連鎖が、やがて奇跡を孕む――。

 会社社長の男性は、愛した人を失い、生きる希望を失っていた。そんな会社社長の男性の恋人になったのが、本作で会社社長の子供を産むことになる男性だ。
 新しく恋人になった男性は両性具有で、女性の出産機能まで持っていたのだ。深く互いのことを信じ、愛し合う二人は、やがて子供を授かり、このことを会社に公表することを決意する。しかしそこにはもちろん、このことを良く思わない人間もいて……。
 そんな中、二人は妊娠、出産を、両家の親に説明しに出向く。男が出産することや、将来生まれてくる子供の未来について意見が交わされたが、二人はなんとかこの関門を潜り抜ける。
 そして、やがて破水して出産を迎えることになったのだが……⁈

 男性の妊娠・出産がテーマの本作だが、人間としての絆が描かれています。
 妊婦さんの苦労や、出産時の体の仕組みなどが詳しく記載され、作品にリアリティがありました。
 終始幸せで、心強い雰囲気で満たされ、ちょっとした棘も、深刻な部分も、互いの絆で乗り越えていく二人の姿に感動しながら拝読しました。
 テーマで二の足を踏んでいる方にこそ、読んでほしい一作でした。
 
 是非、是非、御一読下さい。

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