第3話 ほし

郊外の高台にある新興住宅地

外構を飾るイルミネーション

樹々に無数の小さな星が灯っている


坂道を上りながら家路につく

ケーキとプレゼントを持つ手が夜風に冷たい

幼子たちの心のなかにはサンタがいる


ふと遠い過去が蘇る

あの女はサンタを待っていた

わたしは背を向けた


空には星がかすかに眩いている


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もみの木、わた雪そして星々 猫乃なみだ @kanete2

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