第2話 わた雪


スキー宿の夜

ワイン、ビール

男と女たちの賑やかな声、弾ける笑い


窓の外は月も星もない闇

薄白い雪あかりの地面

樹々の隙間を静かに雪が舞い続ける


都会でわたしを待っているであろう女への思いと

ひと月前に出会った女への熱情が交差する

女からもらった深緑色のセータの襟元から

外の雪の冷たさが刺すように入り込んだ


窓が曇る

頬が濡れていた

わた雪に埋もれるもみの木




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る