華々しき栄誉を手にした英雄は、最後まで英雄たるか。

この世にあるさまざまな争いごとーー剣闘、スポーツ、ゲーム、そして戦争には、常に勝者と敗者が存在し、なかでも最も優れた一握りの者には「英雄」の名が与えられます。

ですが、その「英雄」の人生は、果たしてその武勲に相応しい最高のエンディングを迎えるのでしょうか。

残念なことに、過去数多の「英雄」「スター」たちが、侘しく寂しい晩年を過ごし、人知れずその生を終えているのです。

本作もまた、彼らの「最期」とそれを看取る者の姿を描いた、切なさを堪えきれない作品でした。

ただ彼は最期には、かつてのような「英雄」の心を取り戻すことができたようにワタクシには思えました。きっと幸福な死であったと、そうであったことを願ってやみません。

そして、彼の名の下に、救われて、まっすぐに伸びていくであろう子供たちの笑顔が彼が「いかに英雄であったか」を雄弁に語り継ぐことでしょう。

素敵な物語を、どうもありがとうございました。

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