看取り士は見た! あの英雄は今どこに?

ファンタジー作品を読んでて、いつも思うんです。

英雄とか勇者って、最初はヘタレだったりしますよね。でも、苦労して、努力して、技術を身に付け、力を身に付け、魔女や女神も味方に付ける。そうして得た、多くの仲間達と協力して、世界の悪を倒す。その結果をもって、周りの人達から「英雄」と言われるわけでしょう?

マッカーサーは「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と言って退任したそうです。
── Old soldiers never die; They just fade away ──
英雄も、悪をやっつけたら、あとはフェード・アウトして終わり。

でも、それっておかしい。英雄だって、歳をとって、体が思うように動かなくなるだろうし。死を迎えるにあたって、倒して来た者たちが夢にあらわれる恐怖もあるだろうし。それを考えると夜も眠れない(笑)


そんな部分に焦点をあてたのが、この作品です。(あ、やっと本題に)

英雄の行く末を案じていた王より依頼された看取り士の目を通して、英雄の心の中を丁寧にトレースしていく物語。

やっぱり、英雄は強いだけじゃない。優しさも必要なんだなー。
そう思える、読んだ後で、安心できる、読者を安眠に導く作品です。

英雄のその後が気になって眠れない人には、100%おすすめの作品です。

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