繰り返されるさよならの先に ――三十分間の追走曲(カノン)――

作者 香澄 翔

奇跡も望む意味も、その代償も、僕は何も解っていなかった。

  • ★★★ Excellent!!!

 レビュータイトルは、某魔法少女のキャッチコピーの一部を少し変えたものになります。
 この物語はいわゆる、タイムリープもの。それも自身の意志でお願いして行使できるもの。最適解を求める姿に相通ずるものがありましたので、この言葉が思い浮かびました。

 あなたは時間が戻せるとしたら何に使いますか?主人公の野上隆史(のがみたかし)ように初めは、から揚げとフランクフルトのどっちが美味しいか食べ比べしたりするかもしれません。小さな選択を悩まずにどちらも選んでみて、人生をちょっぴり豊かにするなんてのもありだとおもいます。
 だけどあるとき、あなたの力に誰かの命が掛かってしまったらどうしますか? そんな選択肢を迫られるなか、何度も繰り返される時間の中で最適解を求め続ける隆史の苦悩と、抗う姿には心を打たれると思います。

 楽しい日常からの、絶望への急展開、そして何度も繰り返されるさよならの先に待っているものは……。

 人の持つ優しくも強い願いに触れることができる物語。是非本編を読んで、この物語の結末を確かめて頂きたいです。

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