もし、大切な物が二つあって、どちらかしか救えないとしたら。

 妖精フェルとの出会いにより、時間を巻き戻す能力を使えるようになった主人公、隆史(たかし)。
 もっともそれは、彼が使える能力というよりも、フェルが叶えてくれる「願い」のようなものなのですが。
 ラブコメ調の、ほんわかしか始まりを見せる本作ですが、そこはいつもの筆者の持ち味。中盤以降、事態は急展開します。
 恋する相手、穂花(ほのか)が、自動車事故に遭ってしまうのです。
 当然事故をなかったことにするため、時間を戻す隆史ですが、事態はまったく好転しないのでした。

 時間を戻すことに、もし制約があるのなら。
 制約が大きくなる、条件があるとしたら。
 どんどん事態が悪化していく中で、隆史が選んだ選択とは?

 ここから先は語りません。繰り返されるさよならの先に待っている感動の結末は、ぜひあなたの目で見届けてください。