もしかしたら、近い将来こんな世界がやってくるのかもしれませんね。

 主人公はごく普通の男子高校生。しかし彼には、一つだけ特殊な能力があるのです。
 それは、「予知夢」を見るということ。不定期に見るその予知夢は、一週間以内に必ず現実となって現れるのです。しかも、予知夢に逆らおうと行動を変えようとしても、運命の因果律に引き寄せられたかのように結局その夢は現実になって――?
 そんななか、彼はどうしても現実になってほしくない夢を見てしまい?

   ※

 作品のジャンルはSFとなっており、確かにSFで相違ないのですが、冒頭から終盤までは、むしろラブコメか学生生活を舞台にしたヒューマンドラマといったイメージを抱くかもしれません。
 しかしそのイメージは最終話で一気にひっくり返され、予想もしていなかった結末を迎えるのです。
 最後の〆方が独特でかなり面白いものなので、このレビューで気になったなら、是非最後まで読んでみてほしいなと思います。

 ラストシーンに登場してきた彼は、『彼』であっているのでしょうか?
 だとしたら、見方によってこれはちょっとだけ幸せな物語だったんじゃないかなって。

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