概要
抱えきれない幸せをコインロッカーに預けた。
閉鎖された現代社会において、感情を抱えきれずに死んでしまう人(自殺者)が増えたため、ある企業が作った感情を預けられるコインロッカー。そこには人間のさみしさや悲しみ、そして幸せが詰まっている。
▢カクヨムweb小説短編賞2021中間選考通過作品
▢カクヨムweb小説短編賞2021中間選考通過作品
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!感情を味わえてしまう世界で
コインロッカーに詰まった感情のそれぞれに思い出の味が残っているというこの物語の事実に愛情を感じます。感情は世界と触れあって増えるもののような気がします。そして世界を知りすぎて感情が増えすぎてしまった人が、この物語の主人公であると思います。主人公は他の人が普段何気なく忘れてしまう行為を覚えていて、だからこそ感情をもてあましてしまうのです。そこにあるのは誰かのことを考えるほど、感情が増えてコインロッカーに満ちてしまうという残酷な世界です。しかしそれでも誰かと向き合おうとし続ける主人公に、愛を感じてなりません。二人がこれからも幸せに暮らすことを願います。とても胸の温かくなる話をありがとうございます。