おにぎりでお腹いっぱい、心は優しさでいっぱいに

この作品を拝読していると作者様が何に価値を感じて大事にされているかということが伝わってきます。
それは現代社会で忘れられがちな、他人を思いやるということ、助け合うことではないかなと思っています。

主人公の雪春は母をなくし、お父さんが失踪して、妹の美空ちゃんと彩花ちゃんと三人で暮していました。ある日、おじいちゃんの甚五郎さんの所へ引き取られることとなり、学校を転校して知らぬ地へと移り住みます。
甚五郎さんはおにぎり定食屋さんを経営しているのですが、なんとびっくり、そのお店はあやかしたちの集う不思議なおにぎり屋さんなのでした。

甚五郎さんは見返りも求めずに人を助けるんですね、その姿に人情ってやっぱり捨てたもんじゃないとそう感じるんです。雪春が妹たちを思いやり、懸命に店で働く姿なんか見てますと真面目に感謝して生きるってそういうことなのだなと教えられるんです。
孤独を感じそうなときにそばに誰かがいてくれるということはとても温かいことです。だからわたしは身の回りの人に感謝していきたい、そう思えてきます。
可愛いあやかしもいっぱい出てきまして心はホクホクです。
大切なものがたくさん詰まった玉手箱のような心温かな物語。
心をそっと包むような優しさがあります。
おススメいたします(*´ω`*)

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