コオロギさんの存在に惹き込まれる

主人公(紫桃【しとう】)と、その友人(神路祇【こうろぎ】:コオロギ)の対話により綴られるストーリー。コオロギさんは女性で、本人は認めないけど霊感のある人。そして、「ちょっと」変わった価値観の持ち主で、それがまた魅力的。

各話は主人公が書き留めているノートの中から、コオロギさんから聞いた怪談っぽい話が語られている。背筋の凍る、あからさまに怖がらせる様な怪談ではないけれど、コオロギさんが実体験した日常の中に潜む妖(あやかし)が妙にリアルで、時々ゾクっとする。

途中からは彼女の従姉妹の杜【もり】さんも出てきて、コオロギさんを中心とした三角関係の様な会話も楽しい。世界観に惹き込まれ、最初から最後まで一気に読んでしまった。

※フィクション……だと思うけれど、コオロギさんの体験談が妙にリアルで、これはノンフィクション、若しくはモデルとなった作者様の知人がおられるのでは? なんて思ってしまいます。

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