悲劇的終末が突然こようとも、人は強く生き抜いていくのだろう

友人との冗談交じりの他愛のない会話、可愛い恋人との楽しい帰り道。家に帰れば料理上手な母の作る美味しいオムライス。

当たり前だけど幸せな日々。

朝 それは起きる 突然 崩れる日常 異常が加速する。

変わり果てた母の命を奪ってしまった罪悪感を感じる暇もなく始まる地獄。主人公、如月楓夜は、恋人の蒼木桃が生きていることを信じ、また会えることを支えに地獄を生き抜く物語。


最初はゾンビものかなと思いながら読み進めていましたが、明らかにゾンビとは違う異形の者の存在があり何か暗躍しているようなう闇を感じさせる描写が、他とは一味違うと感じさせてくれます。
それと、主人公である如月楓夜はただの高校生。チートも魔法もない彼が傷付きながら戦う様がリアルで、痛みが伝わってきて思わず顔をしかめてしまいます。ですが、傷付きながらもギリギリで知恵と機転を利かせ、生き抜く姿はこの作品の見どころだと思います。

また、出会う人がいつ消えてしまうのかのハラハラ感が凄いです。いい人だなとか苦手な人だなとか関係なく、それもいつ、どこでも関係ない。この世界がどれほど残酷で過酷なのかを嫌というほど教えてくれます。

謎も絡み考察も捗るこの作品、一度読んでみませんか?

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