大寒 アイスエイジの終焉に
さあて。今季も終わりが近づいてきた。
ただ浮上と潜水を繰り返す。覚醒と睡眠を繰り返す。どこにも留まらない。輪廻を繰り返すように四季を巡る。いつか彼の岸に辿り着くまで年を重ねるのじゃ。
そして今の生き様はいつかの死の淵に繋がっている。できればしっかりと準備運動をして威勢よく飛び込みたい。
だから思慮を欠いてだらしなく生きている自分を見かけたらこう言ってやりたい。
『お前はそんな死に方でいいのか』と。
誰もが羨むような大きく豪奢な船で寛ぐよりも、大勢と一緒にお手頃な船に寿司詰めでいるよりも、いつ転覆するとも知れない小舟で良いからこの手でオールを漕いでいたいのだ。
そして自ら法螺貝を吹き鳴らそう。
さて、そろそろ黄昏時じゃ。
ワシは最期の一筆を此処に、明日のために眠り逝く。
別れはセンチメンタルを呼ぶ演出に過ぎん。
ではまた。
【冬の寄稿】
長い
――『物語の萌芽』
二十四逝記 蒼翠琥珀 @aomidori589
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