ゾンビものだからといって読まず嫌いはもったいない!

私がね、そのタイプだったというか。

映画でも何でも、

「えー、ゾンビかぁ。あれって結局、『ゾンビは不思議な力によって治りました!ハッピー!』にはならないしなぁ。どうせとりあえずは逃げ切ったぜエンドなんだろうしなぁ」

みたいな気持ちがあって見てなかったんですよ。
だってゾンビは死んでるわけですし治らないんですから。動かなくなって本当に(この表現であっているのかわからないけど)死ぬくらいしかないわけですよ。
そんで、こう、青空がぱあっと映し出されて爽やかに終わる感じでもないんですよ。どんよりとした感じで、もう世紀末感半端ない感じでふわっと終わるんですよ。しかも続編を匂わせる感じで、倒したはずのゾンビの手がちらっと映ったりして。何だよモー終わってねぇじゃーん!って。

だけれども、タカナシさんのお話なら、という気持ちで読み始めたんですよ。フォロワーさんのレビューとか見て、よし、これは間違いないぞ、って。

間違いなかったですね。

確かにゾンビは出てきます。このタイトルとあらすじでむしろ出てこない方が詐欺ですから。
だから間違いなくゾンビものなんですけど、家族愛だったり、兄弟愛だったり、それから切ない恋の話だったりがあって、そこにゾンビも関わってるというか、もうどどんと中心にいるんですけど、そういう人間模様が描かれてるんですよ。

ゾンビものだしなぁって避けていた人にこそ読んでもらいたいお話です。思わぬところに繋がっていたりもするので、何度も読み返したくなります!

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