概要
資本主義社会はどこへ向かうのか
人類の歴史の中で、物を取引するという行為はいつ始まったのか。コミュニケーション力を高め、互いの連携を密にしたことが、ホモ・サピエンスをして滅びた他の人類に優らしめた要因だとするならば、現生人類の祖先は狩猟採集民だった頃、すでに高度な社会を形成していたと考えられる。東アフリカのエンカプネ・ヤ・ムト(黄昏洞窟)では、4万年前に部族間の互助を保証するシンボルとして用いられた、ダチョウの卵の殻を加工した工芸品が出土している。これが通貨として用いられていた可能性は否定できないが、常に移動することを強いられ、必要最小限の物しか持ち歩くことを許されない狩猟採集民が積極的に物を取引したとは考えにくい。本格的に物の取引が始まったのは、人類が農耕生活に移行し、余剰生産物を生み出し、備蓄することが出来るようになっ
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?