殺る気が膨らんだり萎んだり。たった3円にも……ヒィーッ!

短編の中に巧みに伏線が張られていて、それが絶妙に収束してゆかないところが、とてもいい味を出しています。
自分にとっての大事は、世の中では大したことではないかもしれません。またニュースになるような物事も現実味があるような無いような。でもその色んな平行線の間に、朧げな繋がりが見えた気がする時、ドラマチックな展開が生まれ……ないのがオモシロイのです。
コメディですもの。きっと今日もグビリグビリとやっていることでしょう。

因みに「1円を大切にしなさい。神様が宿っているから」と何かの拍子に話題に上がる話を昔読んだ気がします。主題ではありませんが、お金にしろ縁にしろ、小さな積み重ねがね……という話で。
なんとなく思い出させてくれるお話でありました。

コメディの中に盛り込まれたものを発掘する楽しさがある作品ではないでしょうか。

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