秀逸な絵コンテを見せつけられたかのよう

 短い。
 この作品、文字数にして 1724 文字。
 レギュレーションが、800~4000 文字ということを踏まえても、やはり短い部類に入るだろう。
 不必要なものを削ぎ落とし、大事なものだけを詰め込んだに違いない。

 この作品、秒数にして15~30秒だろう。
 何となく顔に見覚えはあるけど、名前までは知らない、いぶし銀の俳優。
 穏やかで、低音が響く、ゆっくりとしたBGM。
 背景に漂う生活感と、人生を感じさせる演技。

 絵が見えるだろう、いいや、見えるはずだ。
 最後に、ナレーションで、「赤いきつねと緑のたぬき」と締められる。
 このまま、TVCM になったとて、私は決して疑わない。

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