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夏休みが開けるとお姉さんは何処にもいなくなっていた。予定通り、お姉さんが帰ってしまったことをみんな悲しんでいた。
それからしばらくして、街の外れの方にあるバッティングセンターが潰れたと風の噂で聞いた。詐欺に遭ったらしかった。
お姉さんはSNSのアカウントも消してしまったようで、わたしの元には膨大なチャット履歴だけが残っていた。
知っている人などいなくて、みんな知らない人。
お姉さんの言葉を思い出して、胸が苦しくなって、わたしは視界を滲ませながら奈々子に電話を掛けたのだった。
知っている人、知らない人 紫蘭 @tsubakinarugami
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