癒やしと甘さ、たくさんの恋の魅力が詰まった一作です

普通の町娘だったフィオナは、あることをきっかけに竜の卵を孵してしまいます。生まれた子竜は、幸せを多く受ければ聖竜になり、反対だと暗黒化してしまうと言われ、フィオナと彼女を助けてくれた竜騎士のヴィクトールは仮初めの夫婦になることに。

なんと言ってもこの話はすべてが可愛くて愛おしい!まず子竜のルルですが、モフモフきゅいきゅいと愛らしく、彼(?)が色々とやらかす度に読者はその愛らしさに身悶えします。
架空の生き物なのにまるで本当にルルを見ているかのような描写力が素晴らしく、これだけでもちょっと騙されたと思って読んでほしいです。

そしてお互いに意識しながら少しずつ仲を深めていくヴィクトールとフィオナのカップルが本当に可愛らしくて、いつまでもニヤニヤと見ていたくなる二人です。硬派で女性の扱いになれていないヴィクトールはすぐに赤面したりからかわれたりと可愛らしい一面を持っていますが、戦いの場面ではきっちりと男を見せるカッコいいヒーロー!対するフィオナも一途にヴィクトールを思い続けていてとても芯の強い女性です。

ハプニングのラブにキュンとし、男になるヴィクトールにドキドキし、ページを繰るたびに「次はどんな甘キュンが待ってるかな?」と楽しく読むことができます。
この作者さんはシリアスな恋愛ものも書いており、美しい恋愛描写に定評があるのですが、コメディタッチの甘キュンの中に唐突に入ってくる妖艶な恋愛描写には胸を掴まれること間違いなし。

両片思いのドキドキも、甘酸っぱいキュンキュンも、恋の醍醐味がギュッと詰まった一作です。ぜひご堪能ください!

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