乗り移りを駆使して、愛する妻を守り抜け!

 不運な事故で妻を残して亡くなってしまった主人公は、遺影の中から自分の家の中を見ていた。主人公の家では猫を飼っており、主人公はその猫に乗り移ることができると判明する。猫の体を借りて、妻を守ろうとする主人公。
 どうやら、乗り移れるのはある法則があるようだ。
 そんな中、主人公がいつも乗り移っていた猫までも病死してしまう。猫が死んだことで、乗り移り先も愛猫も失い、主人公は悲嘆にくれる。しかも往生際が悪いと、三途の川の向こうから呼ばれているのに、主人公は無視していた。
 主人公はありとあらゆる手を講じて、他人に乗り移り、様々な災難から妻を守っていく。そのことを知っているのは、ごく限られた人間だったが、やがてひょんなことから、妻にも乗り移りのことがばれてしまい……。
 さて、どうなる⁉

 主人公の胸の内がコメディタッチで描かれており、死後の世界をガン無視しながら色々な人に影響を及ぼしていく姿が面白かったです。
 故人が主人公という設定にも惹かれました。人の死や愛猫の死、大人の恋愛などを扱っているのに、重たいという印象は受けませんでした。

 是非、御一読下さい。

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