幽霊夫は、煩悩まみれで奥さんを見守る

奥さんを残し、不慮の死をとげた大島さん。
それから一年。彼は自らの一周忌を、仏壇から見守っていました。

そんな中幽霊だから乗り移ることができないかな、などと思い、愛猫のスケキヨの中に入ってみた結果、見事成功!
猫とはいえ肉体を得たことで、久しぶりに感じる奥さんである三葉さんの温もり。
さらに、乗り移れるのはスケキヨだけではありません。三葉さんにだって乗り移ることができました。

亡くなって一年が経ったところで、初めて知った事実。おかげで、今までできなかったことができるようになりました。
スケキヨに乗り移り、猫ゼリーを味わいます。三葉に乗り移り、その体を触ります。なんだか煩悩まみれな気がしますが、死後一年間何もできなかったのだから、このくらいは大目に見てもいいでしょう。
……いいでしょう。多分。

しかし、一年経てば周囲の状況だって変わります。その最たる例が、三葉に想いを寄せる男性の出現です。
夫として、だけど今は亡くなっている身として、この事実をどう受け止めるべきか。
妻を愛しているが故に、その恋路の邪魔をする? それとも、応援する?

幽霊となった男の苦悩が、煩悩&笑いと共に書かれます。

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