俺の左目にはいつだって、見たくないものが映りこんでいるんだ。

 美貌の青年が営む骨董店の従業員である主人公は、左眼に怪異を見ることが出来た。店に持ち込まれたカセットテープを、半ば強引に青年に聞かされた主人公。カセットテープにはノイズの混じって、子供が何かの遊びをしているような声が入っていた。この声を聞いた主人の左眼には、バラバラになった何かが見えた。
 そしてカセットテープを調べていく内に、悲しい事件へが見えてきた。その事件の真相は? そして次に持ち込まれた寸胴の中身とは?
 さて、主人公には、血のつながらない一人の妹がいる。とても妖艶で美しい少女だった。そのことで、主人公は兄として妹を見るのではなく、男として女を見るようになってしまっていた。そして妹の方も、母に嫉妬されながらも、兄である主人公に言い寄り、全て自分のものにしようと誘惑するのだった。主人公はそんな妹の誘惑に負けそうになるが、あることを思い出してこれを拒絶するのだった。
 そして語られる美貌の青年の秘密――。

 謎が謎を呼び、恐怖へと転換される物語です。

 是非、御一読下さい。

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