カラオケのヒト
何をやっても音痴なワタシ
そのタイミングが分からない
あの時も
こんな時
そんなことしてどうなるの
分からないからやっちゃうの
後悔とか
反省とか
何の役にも立ちゃしない
音痴なワタシ
サイテー女が愚痴ってる
キレイな調べを奏でても
聞く耳持たなきゃ関係ない
メトロノームが苛立つくらい
調子をとれず
当てずっぽうな
が鳴り声
歌わなきゃいいのにね
みんなの視線が突き刺さる
誰に、それは隣のカレシ
歌わせたのはアナタです
歌いたかったワタシです
あなたは望みを適えたい(ワタシは頷く)
そんなつもりで言ったつもりは(そして後悔の念)
でもワタシは嬉しくて(だからどうして)
一生懸命
せい一杯のラブコール
ハズレタ言葉の散弾の狂った音符の雨が降る
辺りは全滅
阿鼻叫喚
味方殺しのワタシです
分かっていたわ
分かっちゃいたけど
やめないワタシ
だれも止めちゃくれないの
薄情な視線が放置する嫌な奴等め
気にしたら?
気にすれば?
それが”音痴”に言う言葉なの
地雷を自分で踏みつけて
何をいまさら
無責任
だからみんなに嫌われる(当然のこと)
そしてみんなを嫌ってる(それが八つ当たり)
冷めた笑いが胸を突く
空気の読めない
オンナの
音痴なワタシは席を立つ
そうするしかないじゃないの
カレシはやれやれ首を振る
後悔するなフリするな
座興のつもりの一幕芝居か
ワタシは”花道”後にする
千両役者の退場よ
当てずっぽうの行き当たりばったりは
ふてくされて
やさぐれる
悔し涙も出りゃしない
ワタシは河原の土手にいた
夕陽じゃないの朝焼けよ
とことん読めないワタシにとっちゃ
朝日も夕陽も関係ない
そうよワタシはカラオケのヒト
いつも一人で歌ってる
万座の席でも独りきり
無視されても一生懸命
自分の居場所を探してる
視線も合わさず
言葉も交わさず
間の外れたジョークのようにオルゴール
ネジを巻いては繰り返す
錆びつくこころが繰り返す
冴えない女の独り言
いつかはきっとを
繰り返す
そうよワタシはイカしたオンナ(になってやる)
だからわたしはイカレタ女(と呼ばれるの)
笑ってよ
笑ってくれないと死んじゃいそう
笑ってくれたら元気になれる
お道化たピエロでもいいからさ
一緒になって笑ってくれる
そんな誰かと会いたいな
朝日が昇れば明日が来るさ
当たり前でも今のワタシにとっても大事なことなのよ
夕陽を見るまで頑張るの
陽が沈んでも頑張るのよ
そうすりゃ明日がやって来る
そしてお天道様のように丸い笑顔で生きてやる
いつかどこかで出会ったときは
その時こそはよろしくね
もう一人じゃ歌わないから
きっときっと
出会いましょうね
それまできっと
生きてやる
だから見てろよ神様も
もったいないから生きてやる
死んでなぞやるものか
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