名古屋を舞台に起きる怪異。解決するのは探偵。そして、その助手。

名古屋のとある雑居ビルにある探偵事務所。とはいえそこにいる探偵さんは、浮気調査も密室殺人の謎解きも、怪盗を捕まえたりもしません。
ここで取り扱うのは、非現実の世界で起きた事件。言ってしまえば、オカルト的な事件です。

当然、常識では考えられないようなおかしなことも多々起こりますが、そこはさすが専門家。こちらもこちらで、普通の人間には決して真似できないようなやり方で怪異に挑みます。

しかし本作の主人公は、そんな専門家である探偵の樹神先生ではなく、その助手である服部少年。
彼もまた普通の人とは違う不思議な力を持っていますが、それ故に何か心に悩みを抱えている模様。大人であり精神的にも能力的にも強い先生と比べると、どうしても見劣りするところがある。だけどそういう弱さが、そして、それでも何とかしたいと頑張るところが、彼の魅力でもあるのです。
一人で全てを解決できるようなスーパーヒーローではないけれど、不器用ながらできることを精一杯やろうとする一途さは、きっと見る人の心を動かすことでしょう。

あと、本作を語る上で忘れてはいけないのが、所々に出てくる名古屋めし。もしも名古屋に遊びに行かれることがあれば、本作を読みながら何を食べるか決めるのもいいかもしれません。

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