砂漠を渡り、聖域に龍神様への貢ぎ物を運ぶ一族の「私」は、ある年に、国の姫を捧げるために連れていくことになる。「私」とは全く違う容姿をしている姫だが、その事情は複雑なものだった。異世界を舞台にした、生まれや育ちが異なる二人の少女の友情を描いたファンタジー。「私」の心情を描いた文章が、胸に迫ります。人と人とが深く繋がっていく様子がとても丁寧です。営みと摂理と感情が、龍神様という存在も含めて、地に足のついている印象でした。
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