第13話
「何してるの?」
「あいつの位置を確認してる」
空間把握でゴブリンロードの位置を探る。
どうやらさっきの位置から全く動いていないみたいだ。
『遠見の魔眼』を併用して見てみると、結界に背を向けて、眼を瞑って胡坐をかいていた。
中々に貫禄がある。
女神が召喚しただけはあるという事か……。
確認したら、我は葵に即興で建てた作戦を伝える。
「葵――」
*
「『転移の魔眼』」
我と葵が転移したのは、ゴブリンロードから数十メートル離れた――真正面。
ゴブリンロードがゆっくりと目を開き、立ち上がる。
転移して即座に、葵に支援魔法をかける。
適性の無い属性の最上級魔法を何重にも重ねる。本来失敗する筈のそれを成立させるために、通常の何倍もの魔力を投入する。
「『肉体超化×5』」
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名前 天道葵
職業 なし
称号 絶対魔王ぶっ殺す世界の住人 天才児
加護 なし
基礎能力値
HP 20/20
MP 12/12
物攻 2(+2500)→ 2502
物防 2(+2500)→ 2502
魔攻 11
魔防 9
敏捷 7(+2500)→ 2507
幸運 100
スキル
地球人Lv1000(対魔王攻撃力1000倍、魔王攻撃無効、魔王防御無視、対魔王超デバフ、対魔王再生超鈍化etc)
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注いだ魔力量に対して見合った効果は無いし、苦手属性で練度も低いからか、やはり本来よりも遥かに効果が低い。
ただ、あいつは魔法を使わないから魔法攻撃に対する耐性はつけなくても良かった為、リソースを全て物理攻撃方面に力を振る事が出来た。
強化でもHPは増えないため、葵は攻撃を何発も耐えられない。
だから、一撃で決める。
もう残り魔力は少ない。
が、なけなしの魔力で援護のための魔法を発動する。
「『水分変換 濃霧』」
ゴブリンロード周辺の空気中の水分を濃い霧に変化させ、視界を奪う。
続けて、空間把握でゴブリンロードの位置を正確に把握し、
「『水土融合魔法 地形変化 泥』『土派生木魔法 樹木操作』」
ゴブリンロードの立つ地面を泥にして、足場の自由を奪い、周囲の木々を操作して、あがくゴブリンロードを片っ端から縛り上げてく。
しかし、クソ女神の召喚したゴブリンロードなだけあって、早々に脱出を諦めると、その大きな口を開けてカウンターの体制を取った。
「葵!さっき言った通りだ!信じて進め!」
そして、作戦通り、葵が動き出す。
まぁ、作戦と言っても、まっすぐ走って思いっきり剣を振れ。
というだけの事だが。
葵は近づいて剣を振るだけ。
葵は初の戦闘。
剣の心得なんてあるわけも無く、作戦も粗雑の一言に尽きる。
それでも……
「どんな攻撃でも我が必中必殺の一撃に変えて見せる!」
葵がゴブリンロードの前に飛び出す瞬間。
我は一つの魔法を発動する。
それは相手に幻惑を見せる魔法。
だが、ゴブリンロードに直接かける精神干渉系の幻惑魔法は弾かれるはずだ。
直接かければ弾かれるなら……
「
間接的にかければいい。
瞬間。、それを見たゴブリンロードは硬直した。
お膳立ては万全!
魔力カラカラ!
ゴブリンロードは動けていない!
「やれ!葵!」
葵はゴブリンロードの警戒を抜け……。
「はぁ!」
ゴブリンロードに稚拙な技術に見合わぬ大きな威力を携えた剣が振り下ろされた。
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