安直なパロディとあなどるなかれ

 タイトルから『仮面ライダーセイバー』の俗っぽいパロディ……と判断してしまうのは早計な、堅実な内容となっています。
 ホビーアニメ風とタグはついていますが、作風はむしろ王道の現代異能バトル。全知全能の書もノーザンベースもありません(このレビューを書いている時は第一部を読み進め中なので、もしかするとネーミング以外のパロディ要素があるかもしれませんが……)。

 『MOTHER』シリーズと『Undertale』、『カードキャプターさくら』と『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のように、影響を受けながら異なった方向性の作品は数多くあります。本作においてもネーミングや武器は本家のセンスを引き継ぎつつアレンジされており、パロディ止まりに陥らない力量を感じました。
 ネタ要素のスパイスによって、本歌取りに留まらないオリジナリティを引き出した、まさしく怪作というべき作品でしょう。

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