妖しく闇に近づく薄墨色〜恋愛心理サスペンス〜

作者 雨 杜和

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★★★ Excellent!!!

 物語は夫が刺殺された時、傍にいた陽菜子の視点で綴られます。
 思う所の多い仲であった夫が、突如いなくなった困惑。目撃者、容疑者と扱われてゆく騒がしさ。時に思い出に浸り、全く別の事を考え、今の状況と似つかわしくない言動をする。
 それが、妙な現実感。何か事件が起こったとしても、現実を生きていくという事をひしひしと感じさせます。

 そして、思いや考えを多分に含んでいる、彼女の視点で物語が進んでゆくからこそ、写実のように鮮やかな、でも決して実写では語れない、彼女の心理、彼女の心のフィルターを通してみた世界を体感するようでした。

 決して先の読めない、常に緊張をはらんだ展開。揺蕩うような薄闇の世界の中で、彼女が辿り着く真実とは―――。
 結末に、驚かさせること、間違いありません。



★★★ Excellent!!!

ミステリーって何書いてもネタバレになるので、文体と雰囲気についてだけ。

冷たく乾いた調子で事件とその後が綴られていきます。
夫婦の関係性も相まって、翻訳ものを読んでいるような気分になります。

驚きの結末となるか、予想通りとなるか。
完結済みなので一気読みできます。
お試しあれ。

★★★ Excellent!!!

それは何処か重たい空気の現代ドラマのように始まった。

人の心が絡み合い、もつれ合い、真実が見えないまま、それぞれの人の感情のままに流されるように進んでいく。

あなたは誰かを愛していますか?
その愛は嘘をついていませんか?

そんな問い掛けを読むごとに問いかけられているように。
読者は主人公の目線で、居なくなった夫の人生の影を追っていく。

人の感情がとても怖いと。

最期に問い掛けを。
あなたは流されるままに、この嘘から目を逸らしますか?
それとも……、それは……。

★★★ Excellent!!!

ついさっきまで隣で歩いていたはずの夫が、何者かにナイフで殺害される。
犯人は誰なのか。
警察は妻である自分を疑っているようだが……。

主人公・陽菜子の視点で展開する本作。
ミステリー、事件、となりますと、犯人は誰だろう、真相は? と予想しながら読んでいく方も多いと思うのですが、このお話はなかなかに大人な作品です。

主人公をめぐる複雑な環境、切々と、一方で他人事のように吐露する心理、彼女は孤独なのか、あえて孤独になろうとしているのか……。救いのヒーローも用意してあるのですが、どこか鬱々とした雰囲気が抜けません。混沌ともいいましょうか、配置してある要素は明るいはずなのに、主人公だけはずっと暗いままなのです。

読みやすく、しっかりとした世界観のある作品なので、一気読みもおすすめです。

★★★ Excellent!!!

カクヨムと言う、異世界とファンタジーが主流を占める場に置いて敢えて本格ミステリと言うジャンルに挑戦している本作。

ミステリはその性質上、毎日更新でサクッと読めるが特徴のWeb小説とは相性が良くないのです。

が、本作は一話目から話が動き、出だしで謎を提示した後、途中予想のつかないサスペンスとロマンスで読者の興味を惹きつけ続け、トリックも気になるけど、展開そのものも気になり出して、ついつい読みたくなってしまいます。

そして最後は見事にミステリとして締めてくれているのです。
Web小説としてもミステリとしても見事でした。

★★★ Excellent!!!

独特の表現で語られる本格的ミステリー。
内にアンニュイを抱える孤独な主人公。
類は友を呼び、主人公に関わる男性もそれぞれに孤独を抱え、
描かれる切ない人間模様。
複雑な過去が絡み合い、もつれ合い、こじらせて。
想定外の結末へ。

最後まで読んで、もう一度、読み返すと、新たな気づきが。
一粒で二度も三度も美味しい、いぁ、面白い作品です。




★★★ Excellent!!!

突如、夫である玜介を何者かに殺された陽菜子。それは、二人で歩いている途中、ほんの少し目を離した一瞬の出来事でした。

しかし陽菜子の悲劇はそれだけでは終わりません。警察が玜介を殺しの容疑者と疑ったのは、他ならぬ陽菜子だったのです。
もちろん陽菜子は無実を訴えますが、状況的に一番怪しいのは彼女で、しかも捜査が進めば進むほど、疑いはますます濃くなっていく。

そんなミステリ要素満載な本作ですが、同時に陽菜子をめぐる人間ドラマでもあるのです。
上手くいっているとは言えなかった夫婦関係。玜介にとって自分はなんだったのか。そして自分は、そんな玜介をどう思っていたのか。
さらにはミステリアスな会社の後輩、東雲君の登場で、彼女を取り巻く環境はさらに一変。彼はなぜ、こんなにも陽菜子に構うのか。

何もわからないまま、謎に包まれた事件と陽菜子の心は、いったいどこへ向かっていくのでしょう。

★★★ Excellent!!!

作者様の構成力、細かな描写力、心情描写、どれを取っても素晴らしい!

そして、ミステリー!
ナゾがナゾを呼び、イケメンや天才やシスターまでも登場する、このエンターテイメント溢れる脇役達!

もう、これを読んだ後は、満腹するはず!
いや、でも、多少のナゾも仄かに残すところが、いやらしい!
実に、心憎し!

是非、ご一読下さい!

★★★ Excellent!!!

夫・玜介が殺された。
事件が起こった現場にいたのは、妻の陽菜子のみ。
しかし、彼女は夫から離れた所にいて、殺せるはずもない。

――では、真犯人は誰?

物語は、衝撃的な殺人現場から始まる。
犯人を目撃した者はおらず、警察は陽菜子を容疑者としようとしていた。

陽菜子は自分が夫を殺したのか、それとも誰かが殺したのかと思い悩み……

やがて、会社の後輩と事件の謎を追うようになる。

この物語に流れる、違和感・謎・感情。
それらは時に読者を惑わせ、真実を見誤らせるかもしれない。

陽菜子が最後に辿り着く真実とは……?
それは、あなたの目で確かめて下さい。

ミステリーと歪な愛の形を巡る物語です。

★★★ Excellent!!!

浮気性な夫、玜介の妻の陽菜子。
夫の浮気癖に思う事が無いわけでは無いけど、この人はそういう人だからと諦め、何も言わずに日々を過ごしていたのですが。そんな夫が、ある日誰かに殺された。

いくら浮気癖があるとはいえ、夫が殺されたのです。心穏やかでいられるはずがありません。
ですが悲劇はまだ始まったばかり。なんと警察が容疑者として挙げたのは、妻の陽菜子だったのです。

そんな、陽菜子は無実なのにどうして! ポンコツ警察、もっとちゃんと調べろー!
しかし読み進めていると、どうやらこの事件、一杉縄ではいかないみたいで。殺された夫、玜介と、彼の身内に関わるきな臭い秘密が次々と明らかに。

知ってしまった夫の秘密。やってもいない容疑をかけられて、精神的に追い詰められる日々。
陽菜子の辛い心情がありありと描かれていて、読んでいて心苦しくなりました。けど読む手を止める気にはなりません。事件の真相を暴いて、陽菜子の無実を証明してほしいその一心で、読み進めていきました。

ハラハラが止まらないミステリー。
陽菜子の無実が証明されて幸せになってもらいたいですけど、最後までどうなるか分かりません。

★★★ Excellent!!!

 夫、玜介の浮気はいつものことだった。そんな彼に強く気持ちをぶつけない陽菜子もまた、いつも通りの反応だった。
 だから会社まで迎えに来た玜介と、ただ一緒に駅まで歩いていた。
 彼と永遠の別れになるとも思わずに……

 都会の密室。監視モニターの狭間で行われた殺人。
 
 状況証拠は妻の陽菜子を追い詰める。
 そんな陽菜子に手を差し伸べる貴公子は、果たして敵か味方か。

 事件の真相を追ううちに、仮面夫婦、陽菜子と玜介の実態も暴かれていく。
 真犯人は誰なのか。最後に微笑む者はいるのか。
 結末まで見届けたいと思います。

    (第46話まで読了時点でのレビュー)

★★★ Excellent!!!


普通の生活をしていたはずの主人公が、突如、夫の死の容疑者に!?

ストーリー展開は、本格ミステリーです。ちょっと大人なミステリー作品。
ですが、特に注目して欲しいのは、主人公の女性の生き様です。夫の死の謎を追うごとに、彼女の過去、人生を振り返っていくような展開に、過去から現在、そして未来へ続く壮大なストーリーに思えます。

日常だったはずの時間が、突如として非日常になるなんてことは、私たちにも起こりうることです。物語の結末にたどり着いた時。彼女はどうしているのか。私はそれが見たいと思っています。

★★★ Excellent!!!

丸の内の一流企業に勤める陽菜子。
傍目から見れば、順風満帆な人生を送っていた彼女はしかし、浮気を繰り返す夫・玜介との間に、深い齟齬を抱えていた。

その夫が、彼女と二人で帰っている途上、何者かに刺殺される。

いったい、誰が、どんな理由で?

しかも、監視カメラの映像から、第一容疑者として疑われたのは陽菜子だった。

陽菜子は部下であり、財閥の一人息子である東雲とともに事件の謎に挑むが――。


タイトルの通り、読めば読むほど薄墨色の霧の中を闇へと深く沈んでいくような感覚になるミステリーです。

玜介を殺したのは誰なのか。
背後に何が横たわっているのか。
都会の密室はどんなトリックで作られたのか。

物語はまだ第二章の途中です。気になる方はぜひ追いかけてください!

★★★ Excellent!!!

【追う事件は一つ、解き明かす謎は二つ】不可能犯罪(ある種の密室殺人)と思える事件。夫を殺害された陽菜子は、この事件の謎を追います。この物語の面白いところは、主人公『陽菜子』の内面に対する掘り下げが、事件の謎解きと並行して進むことです。

そしてこの主人公、まさにミステリアス。読み進めれば、事件の謎と彼女の心の両方を解き明かしたくなります。

事件そのものも面白く、解決の瞬間が楽しみで堪りません。
みなさまにも是非とも読んでみていただきたい一作です。

★★★ Excellent!!!

 夫が不審死をして周囲から犯人と目されることになった妻。
 少し退廃的な雰囲気のある彼女は、次々と身に降りかかってくる状況に翻弄されるだけなのか。
 物語は現在、絶賛拡大中です。
 今から読み始めてもミステリーで最も面白い影響の拡大期ですのできちんと追いつけます。
 不審死の謎が解かれるのは、果たしていつになるのか。
 毎日ワクワクしながら読み進めております。
 少しでも気になったらぜひお読みください。

★★★ Excellent!!!

この作者様が書かれる文章の流麗さを、是非一度味わってみてください。

物語は主人公・陽菜子の夫が殺害されるというミステリー。
主人公と夫との関係、そこへ絡んでくる関係者達、と謎が謎を呼ぶような展開で進んでいます。
お話の緻密さもさることながら、この作者様の美しい文章に引き込まれて、もう先が気になってしかたありません。
貴方もご一緒に、この物語の結末を見てみませんか?

★★★ Excellent!!!

夫を突然何者かに殺害された主人公陽菜子の物語です。

今物語は中盤だと思いますが、始まってすぐから今までずっとモヤに包まれたような雰囲気が漂います。

陽菜子のアンニュイなオーラと殺害された夫(玜介)の持つ妖しい雰囲気。それに加えてどんどん深まる謎。

物語の内容もどんどんスケールが大きくなっていっていて、これは犯人の目星が全くつかないし、登場人物全員怪しく見えてくる、という展開。

心理描写がとにかく巧な作品で、陽菜子の困惑・絶望などがひしひしと伝わってきます。

早く続きが読みたい! と、更新を心待ちにしている自分が居ます。
本格的なミステリーです。暗い雰囲気のミステリーがお好きな方にはとてもおススメです♬

★★★ Excellent!!!

複雑な夫婦関係を築く主人公・陽菜子さんの夫が殺害される。
一緒に歩いていたはずの夫が横にいないと気付いた、ほんの僅かな時間のあいだに。
外での出来事なので、当然、監視カメラが犯人を暴いてくれるものと思っていたら、そうではなかった。

外なのに密室が出来上がる。
そのせいで、疑いは陽菜子さんへ。
そして追い打ちをかけるように新たな密室の事件が。

本格ミステリなので、推理も一筋縄ではいきません。
ネタバレになってしまうので詳しい事は書けませんが、読み進めていくと、こんな展開に繋がるのか!と唸らされます。

陽菜子さんと夫、そして、それぞれを取り巻く人々の人間模様が徐々に明かされていくのか楽しく、待ち遠しいです。

全ての謎が明かされる時、陽菜子さんにはいったい何が待ち受けているのか。
彼女はその時、前を向く事ができるのか。
陽菜子さんの心情が丁寧に描かれているので彼女の抱えているものに心苦しくなり、だからこそ、応援したくなります。
まだ物語の途中なので、事件が立て続けに起きて疲労困憊の陽菜子さんですが、そんな今はまだ頼りなげな彼女と共に、皆様も真実を見つけに行きませんか?

★★★ Excellent!!!

文体が美しく、毎話ハイライトしたいような胸を打つ表現が出てきます。文体にうっとりしている間にも、どんどん主人公が危ない目にあって行くので目がはなせません。登場人物たちがそれぞれ魅力的で、スケールの大きな本格派ミステリー。ずっとドキドキワクワクさせられっぱなしです。

★★★ Excellent!!!

都会の密室で、夫が殺された。密室とは? 防犯カメラで監視された路上のこと。
カメラの死角で夫は刺された。
どこもかしこもカメラで監視されている。
なのに写っていたのは妻の陽菜子と通報者だけ。

ナイフに陽菜子の指紋が? いや、まだ分からない。
夫の死体からはスマホが消えていた。それは何を意味するのか?

第7話ですでに息もつかせぬミステリーが展開する。
そして、洗練された作者の感性。
女を惹きつける男の、何と不思議なダンディズム。
陽菜子の、女の特異な心理、宝石のようなプライド、そして魅力。それらがたっぷりのサスペンスを絡めながら展開されていく。
読んだらきっと、あなたはやめられなくなるでしょう。
とにかく、わたしもこの小説が好きなんです。
こんな作品、ちょっとない。

★★★ Excellent!!!

レビューを書いている時点で、まだ7話です(笑)
だけどね、水ぎわパンダにはわかるよ。

氷山が海上にわずかな面積しか出していないように。
ここはまだ、地獄の1丁目にもたどりついていない。
なのにもう。
パンダ、夢中(笑)

さあ、アメたぬき。
八方ふさがりの状況の中、読み巧者を納得させる論理を展開し、
向かうところ敵だらけのヒロインを救出・開放せよ!

アメたぬきの健闘をリアルタイムで追いかけましょう。
読み手の期待を裏切ったことはないよ、このたぬきは(笑)
パンダの太鼓判つきです!!