象徴的なガジェットが紡ぐ非情で切なくもいとしい関係

病院、気送管というガジェットが象徴するようにこの物語は生きる事の意味を問いかけている。病院はすべからく管でできている。輸血、カテーテル、経管栄養、血管、消化管、気道、食道これらすべてが命をつなぐという概念にぶらさがっている。そして、物語には二つの問いがある。一つは生きる意味の探求、もう一つは生きる意味を失った時どうするのか? という問いである。その答えを探すためにこの小説を読む必要があるのだ。
私はこの物語を読んで、生きたいと思うようになった。それはなぜか? 私が思うに、生きたいと思うことは生きている人間にしかできないことだからだ。私はこれまで「生」とは何だろうと考えたことがなかった。だから、「死」も何なのか考えたことはなかった。しかし、私は今、自分が生きる理由を見つけようとしている。そう考えると、私は生きることに対して真剣になれるような気がした。そして、私にもいつか死ぬ日が来るんだろうなと思った。でも、その時は自分で決めたかった。自分の意思で死にたい。誰の意思でもない、私の心の声に従って生きていきたいと強く思った。
この小説を読んだことで、今まで見えなかった世界が見えてきたように思う

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