箸にも棒にもかからない?いいえ。まんじゅうは箸でつかめるのです!

 第四回こむら川小説大賞、テーマは「異能」。十人十色の異能がシノギを削る中で明らかに異彩を放つ、そして「役にたつのそれ?」とい首をかしげるトンデモ能力が主題のお話。だが、読み進めていけばその力はいかなるチート、いかなる技能すらおいてけぼりにするとてつもないポテンシャルを持っていたことに驚愕することになる。
 そもそも、饅頭とは何だろうか、というトンチと共にスケールが指数関数的に肥大化していく展開はただただ脱帽するばかりで、そこで明かされる驚愕のまんじゅう真実にただ読者は最後の一行まで翻弄されるのみである。読み終えたとき貴方は万物にまんじゅうの特性を見ることが出来るようになるでしょう。
 ……そうとしか言えねーよ。主人公の想像力凄すぎ!そうか!あれもまんじゅう、これもまんじゅう……。
 最後まで餡たっぷりの狂気(誉め言葉)はお時間がある方は一度ご賞味あれ。長い夜のお供のおやつのカロリーの丁度良い消費先になる筈です。
(これを書き終わったらいちご大福を買いにいこうとおもいます。)

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