題名のほのぼの感に騙されて、人類の煉獄へようこそ。

 素晴らしい地獄のピタゴラスイッチを読み終えて、溜め息と共に湧き上がるモノを言葉にすれば「驚異の怪作」としか言いようのない読者驚嘆の作品でした。

 序盤の主人公すら描かれた文字数こそ多いものの終焉へのトリガーでしかないと言う構成にこの作品の真の主題は地球人類である事はいちいち書くことでもなく明白ですが、その主題が滅びそうで滅びず生き足掻き最悪の中の狂った最善を尽くした末があの虚無的なオチとは、読んだ読者もシニカルに笑うか唖然茫然とするしかないでしょう。

 しかし名作・火の鳥にすら匹敵する壮大な一大ページェントを1万文字に凝縮して織り上げたその筆力には感嘆と称賛しかありません、ささやか先生 素晴らしい作品をありがとうございます。

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