この人生に喝采を【角川武蔵野文学賞応募作品】

作者 雨 杜和orアメたぬき

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★★★ Excellent!!!

 読みやすい文章ですが、何だか、色々考えてしまうお話です。

 その一生をダイダラボッチの研究に捧げた、魅力的な教授が主人公です。民話でも植物でも、ひょっとしたらクトゥルフでも想い続けると何かが動き出すのかもしれませんねぇ。人間の想念は恐ろしくもあります。

 でも誰も見たことのない、そんな場面を見られるなら、そんな一生も良いものだなと思いました。

 あ、それから私のは小さいです。(聞かれてませんか?)

★★★ Excellent!!!

いにしえ、この国の人々は、森羅万象に神を見出していた。
最期の語り部的な教授。

自然が消え、闇が消え。
見渡しが良くなった分、見えなくなったもの。
それでも、追い続けた教授の想い。

どうせならば、貴方の手で……。
教授に委ねられた願い。
それは、きっと……。

私は、教授の終活かなぁ~っと。





★★★ Excellent!!!

私は武蔵野に行ったことが無いですし、武蔵野がどんな所なのかもイマイチよく分かっていません。

でも、このお話を読んだら、武蔵野に興味が湧きました。
ダイダラボッチという存在にも興味が湧きました。

そして何より、このお話の主人公である老教授に興味が湧きました。

心に染み入るお話、静かだけど熱い想い、読後に残る不思議な感情。

短編にこれだけの感情を残せる作者様への喝采の想い。

朝一番、眠い目をこすりながら読んで、とてもいい気持を残してくれたこの物語への喝采を込めて、このレビューを送ります。
ありがとう、雨杜和様。

★★★ Excellent!!!

 ふとした日常に、ぽつんと現れる変異。
 それがなにかを見つけようとする老教授は、自らが追い求め、焦がれてきた存在への強い想いを知る。
 しかしそれは恋い焦がれていたものにとって、束縛以外のなにものでもなかった。
 老教授は己の好奇心を貫くのか、恋い焦がれていたものの願いを受け入れるのか。

 短編でもしっかりと感傷を呼び起こし、考えさせる物語となっております。

 ただ楽しいだけの作品もありますが、本作は読後にきちんと考えさせられる作品でした。それだけ深みを感じさせる仕上がりとなっています。

 総合評価は☆3つ、万人にオススメ致します。

★★★ Excellent!!!

「まるで、巨人の手や足の跡のようだ」――古代の人々は、大きな池や窪地を見て、思ったらしい。
それゆえにこそ、巨人の存在を信じた。
そして現代――とある老嬢の教授もまた、巨人の存在を信じ、追い求めた。
その果てに、彼女が出会う「モノ」とは――

かつて、武蔵野にその存在を信じられた「モノ」とは何だったのか。
その答えが――ここにあるかもしれません。

★★★ Excellent!!!

土地には、その土地に溶け込んだ血肉がある。
武蔵野には武蔵野にしかない、濃厚な存在感があります。
そこで生まれ、そこで生きてきた人にしか語れぬ物語。
読めば、行ったこともない武蔵野に対する郷愁が湧いてきます。

そしてなぜか。
自分の生まれた土地の気配までが、濃厚に立ち上がってくるのです。
たった、これだけの短編で読み手の中にある郷愁まで掘り起こす。
書き手の真摯な手練手管に。そのまま乗ってください。
読めばどうにかして、自分の匂いの残る土地に戻りたくなるでしょう。
あなたの推しを探しに。

★★★ Excellent!!!

古代から伝わる巨人「ダイダラボッチ」を人生をかけて追い求めた教授がたどりついた境地とは――?
導入は軽妙で入りやすく、読み進めていくに現実感や真実味が増していき、読者を作品世界に引き込むのが上手な作家様という印象を受けました。
そして最後には(ネタバレになるといけないのであまり言えませんが)人間の想像力というものや、人生そのものについて深く考えさせられました。
信じたものを一途に追い求める人生も素敵だと思いました。

★★★ Excellent!!!

民俗学の教授が、求めたものはダイダラボッチの存在。年を老い一人になって、ある夜ダイダラボッチに会える。しかし、そこに現れたものは彼女の想念が作り出したものか、この国の古い神のなあにある伝説の存在なのかわからい。しかし、心の底から、ダイダラボッチを求める老教授は、ダイダラボッチの存在を確かめることができる。自分の一生が、求めてきたように。

★★★ Excellent!!!

この作品では古民家のイメージが合います。
古い家に、古い資料。その中から生まれたのは……?
彼女の人生に喝采を。
ダイダラボッチの存在は大きかった。いやダイダラボッチではないのかもしれない。もっと不定形で不安定な存在が彼女を見ていた。

でも、それでも彼女が望んだダイダラボッチと思うと人生に意味があったに思える。それこそ喝采をあびるに値するのだろう。