宇宙SF映画のクライマックスシーンを切り取ったような作品

地球から遠く離れた宇宙船が舞台です。その船内で休眠から目覚めたゴロウは、乗組員の変わり果てた姿を目撃します。
そんな緊迫した場面から始まる本作は、印象的なラストシーンまで怒涛の勢いで進み、読者に退屈する暇を与えません。また、スピーディな展開の中にも伏線が忍ばされている点に、如才なさを感じました。
まるで宇宙SF映画のクライマックスシーンを切り取ったかのような作品です。充実した読書体験をさせていただきました。

*目覚めた密室内で死体を発見するところ始まる短篇作品という点で、本作と志村さんの過去作である『スーサイド・マーダー』は共通していますね。(私が知らないだけで、まだ他にも同じ共通点を持つような作品があるのかも知れませんが)二つの作品を読み比べてみても、とても面白いと思います。

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