運命の糸が想いを手繰り寄せる

店を守ろうとする女の子の話が読みたい、しかもファンタジー要素があって、きゅんとしたい。できればアンティークも登場してほしい。本作は、そんな要望を全て叶えてくれます。

亡き祖母の店「リンカネーション」を継いだ麻琴。半年ほど頑張って経営しているものの、母からは東京に帰るよう催促されてしまう。そんな麻琴のもとを訪れた一人の好青年・しろくんが、麻琴と「リンカネーション」の運命を変えていく。


お客さんや同業者との出会い、作中に登場する染め糸やアンティークが美しく描かれ、わくわくしながら読みました。

キャラ文芸は京都を舞台にした話が多いですが、本作は京都でなければ成り立たない世界観です。随所にちりばめられた方言は、優しく温かな響きをもたらします。
経営が上手くいっていなかった店が、どれほど素敵な場所に生まれ変わるのか。物語の扉を開けてみてください!

その他のおすすめレビュー

羽間慧さんの他のおすすめレビュー3,291