店を守ろうとする女の子の話が読みたい、しかもファンタジー要素があって、きゅんとしたい。できればアンティークも登場してほしい。本作は、そんな要望を全て叶えてくれます。
亡き祖母の店「リンカネーション」を継いだ麻琴。半年ほど頑張って経営しているものの、母からは東京に帰るよう催促されてしまう。そんな麻琴のもとを訪れた一人の好青年・しろくんが、麻琴と「リンカネーション」の運命を変えていく。
お客さんや同業者との出会い、作中に登場する染め糸やアンティークが美しく描かれ、わくわくしながら読みました。
キャラ文芸は京都を舞台にした話が多いですが、本作は京都でなければ成り立たない世界観です。随所にちりばめられた方言は、優しく温かな響きをもたらします。
経営が上手くいっていなかった店が、どれほど素敵な場所に生まれ変わるのか。物語の扉を開けてみてください!
祖母のお店を継いだ主人公『麻琴』と、そこに現れた自称昔お世話になった『猫』である『しろ君』、それに主人公が恋心を寄せるいとこ『純兄ちゃん』の恋とビジネスとファンタジーのお話です。
しろ君は、自称『猫』なのですが人間だし、ビジネスに明るいし、最初から麻琴の事好きっぽいし謎が多い存在。
対して麻琴はいとこの純兄ちゃんに恋心を寄せていて、そこには見事な三角関係が存在する事になります。
まだ物語は始まったばかりで、麻琴が祖母から受け継いだ染め糸屋『リンカネーション』を立て直そうとする段階がメインに書かれています。
でも、麻琴は鈍くさいみたいで、そこにはしろ君のナイスフォローがたくさん入ってきますし、純兄ちゃんも絶妙に絡んできます。
染め糸とアンティークのお店が醸し出すふんわりした雰囲気を作品でも体現するかのごとく、ものがたりもゆったりふんわりと進んでいきます。
このお店をビジュアル的に見てみたくなりますね。
まだファンタジー要素は色濃くないけど、お話のそこら中にファンタジーの伏線が張られているように見受けられますので、これからファンタジーとしてもどうなっていくのか楽しみです。
もちろん、三角関係の行く末も楽しみです。
色々な要素が詰まったこのお話、不思議な世界に足を踏み入れてみませんか?