誰にでもきっと自分の「居場所」がある

同性愛者の少年が自分のアイデンティティに悩みながらも、周りの人間との関係を通して成長していく青春小説です。

ゲイであることを理由に辛辣ないじめに遭う中学時代から物語は始まりますが、そこで読むのをやめては勿体ない。その経験を踏まえたうえで、彼がいかに自分の「居場所」を作っていくかが物語の焦点となっているからです。

かけがえのない恋人の存在、それぞれが色んな事情を抱えている性的マイノリティの人間たち。仲間とともに苦しんだり助け合ったりする中で、人としてたくましくなっていく姿が等身大の言葉で描かれています。読めばきっと彼らを励まし、背中を後押ししてあげたくなるでしょう。

登場人物はいわゆるLGBTが中心であるものの、自分の居場所を模索することは多くの人に共通する通過点であるとも思います。
彼らがどのような居場所を見つけるのか、ぜひその目で見守ってみてください。

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