第一章まで読了しました。
異性じゃなくて同性を好きになる。それは、私がこれまで体験したことのないことです。
文学の良いところは、自分とは立場の違う人間の視点を読み取ることで、自分とは違う誰かの人生を体験できることだと思います。
この作品の主人公の心の動きは、リアルで、苦しくて。翔くんと出会うまでの人生は、とても悲惨なものでした。
人と違うことがどうしていけないのか、なぜ、排除されなければいけないのか。この作品を読むことで、自分とは違う誰かも生きた人間で、痛みを感じること、苦しんでいることを、少しでも多くの人が知ってくれたらと思い、レビューを書きました。
是非たくさんの人に手に取って欲しい作品です。
同性愛者の少年が自分のアイデンティティに悩みながらも、周りの人間との関係を通して成長していく青春小説です。
ゲイであることを理由に辛辣ないじめに遭う中学時代から物語は始まりますが、そこで読むのをやめては勿体ない。その経験を踏まえたうえで、彼がいかに自分の「居場所」を作っていくかが物語の焦点となっているからです。
かけがえのない恋人の存在、それぞれが色んな事情を抱えている性的マイノリティの人間たち。仲間とともに苦しんだり助け合ったりする中で、人としてたくましくなっていく姿が等身大の言葉で描かれています。読めばきっと彼らを励まし、背中を後押ししてあげたくなるでしょう。
登場人物はいわゆるLGBTが中心であるものの、自分の居場所を模索することは多くの人に共通する通過点であるとも思います。
彼らがどのような居場所を見つけるのか、ぜひその目で見守ってみてください。
人が人を好きになる。こんな単純なことなのに。
主人公の心情が読み手に伝わるほど心理描写が丁寧に書かれています。第一章では、主人公の苦難や葛藤が心に染みました。
そして、第二章以降からヒヤヒヤする場面もありさらに面白くなります。初めは自らを社会通念と比較して『異常者』と言っていた主人公にも次第に『居場所』が増えていき、少しずつ変わっていく姿に心を打たれます。
この小説を読むことができて良かったです。同性異性にかかわらず、愛しい人ができても後ろめたい思いをしない社会になるといいなと感じます。
まだ読み途中ですが、レビューを書かせていただきたいなと思えた作品でしたので、書かせていただきました。
これからも頑張ってください。