概要
きよちゃんは、私が呼ぶと押入れから出てくる
「第四回こむら川小説大賞」によせて書きました。二作目です。よろしくお願いします。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!呼ぶと押し入れの中から現れる「きよちゃん」
とある少女の成長の記録と、いつもその傍にある謎の存在「きよちゃん」の物語。
とても不思議なお話です。まずもって「きよちゃん」の存在そのものが不思議。
一見、いわゆるイマジナリーフレンドのようでいて、でも明らかに物理的な肉体を伴った存在。しかし呼ぶたびに押し入れから出てくるそれが尋常の人間であるはずもなく、またそもそもこの物語が主人公の一人称体で綴られていることも相まって、さてこの「きよちゃん」とは一体なんなのか——?
と、否が応でも先が気になってしまうのがもうすごい。淡々と語られる主人公の身の上もあって、気づけばすっかり引き込まれていました。
この先はネタバレ……というほどでは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あの子に会える、きっと会える。
小さい頃、いつも一緒にいてくれた。
名前も、顔も、夢中になって遊んだことも覚えている。
笑い方も、走り方も、どんなぬくもりだったかも。
全部鮮明に覚えていて、間違いなくいたはずなのに
大きくなってから会おうとしたら
そんな人はいなかったってこと、ありませんか?
僕といっしょにかくれんぼをしてくれたお姉ちゃん。
いつも私の味方をしてくれた男の子。
確かにいたはずなのに。
それってもしかしたら、イマジナリーフレンドってやつじゃない?
したり顔で誰かが、大切であたたかな思い出のすべてを
幻のように言ってくる人がいるかもしれない。
でも、その話ですら、ほんとうのほんとうじゃないかも。
あの頃…続きを読む