概要
終わる世界の中で、七十五歳の正次は亡き妻のことを思い出していた。
この世界が終わり、世界は5G――第五世代から第六世代へと移行する。テレビではそんなニュースが流れていた。何でも、この世界にはすべてを記憶を記している場所があるが、その場所には容量があり、それを超えると世界が終わり新しい世界が始まるのだという。この日、七十五歳になる正次の元へ、5Gから6Gの世界へと移行するため、孫の青球が手続きを手伝いに来ていた。この世界の全てを記憶している場所を「赤い本」と例える孫の言葉に、正次は亡き妻の美津子と初めて会った時のことを思い出していた――。
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