命の値段『ソウル・カード』

作者 甲斐央一

寿命と引き換えに現金を引き出せるカードは、人間に幸福をもたらすのか?

  • ★★★ Excellent!!!

路頭に迷い、自ら命を絶とうとする人間の前に神が現れる。
寿命を現金に換えられるカードを神から与えられた彼らは、人生をやり直せるのか?

お金によって人生を狂わされた人々の物語です。
キャバ嬢に貢いで破滅した男性、親戚の借金の肩代わりで風俗に売られた女性、会社経営に失敗して破産した男性……
三者三様、カードを手にしてからの人生の変遷がオムニバス形式にて綴られていきます。

主人公たちの心理や言動にリアリティがあり、壮絶な展開には息をも忘れるほどでした。
自分の寿命を削らなければならない究極の選択が招くのは、幸福なのか不幸なのか。

複雑に折り重なる人間関係の綾と、散りばめられた伏線が見事に回収される圧巻のラスト。
まさに因果応報ですが、清々しさと温かさの残る読後感でした。
とても面白かったです!

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