★★★ Excellent!!! ネガハルネガハル 詩一 文章が高密着で、読んですぐに没入感がもたらされます。 緻密な心理描写により主人公が感じていることが間近に感じられ、自分が体験しているような感覚に陥ります。 突然不思議なことが起こりますが、それがなんというか、スッと腑に落ちるんです。 超絶不思議なことが起きているというのに、とっても自然に思えて。 明日自分の身に起きても、なんら違和感がないようにさえ思わされる。でもやっぱりおかしいわけです。 その、現実と幻想のバランス感覚が素晴らしい。そしてそれが徐々に崩れていくから、己の中にあるバランス感覚まで喪失して、最後には不思議な納得感が残りました。 改めて『読書』というのは『体験』に置き換わるものなのだと思いました。 レビューいいね! 1 2021年6月10日 21:35
★★★ Excellent!!! 誰にでも起こっていることなのでは? 高野ザンク 主人公に起きた(起きている)ことを、僕らも知らず知らずのうちに経験しているような錯覚を覚える。 いや、実際気づかぬうちに起きているのかもしれない。それを明確に否定することは難しい。 日々漠然と生きているというのは、生きながら死んでいくということと同義ではないか。毎日が繰り返しになりがちな今の状況に読んだせいか、いっそう心を掴まれた。 さて、明日の自分は果たしてちゃんと「自分」なんだろうか。 レビューいいね! 2 2021年6月10日 19:30