表示される広告側から見た話

   

 カクヨムリワードは、カクヨムロイヤルティプログラムに参加することでいただけるお金ですが、このお金は広告費の一部還元。つまりカクヨムロイヤルティプログラムで広告が掲載されるからこそ、リワードがいただけるわけです。

 ある意味、広告主の方々が広告を出してくださるおかげ……と言えないでしょうか。


 などと、おかしな前置きで始めた今回。このエッセイの趣旨に沿うのかどうか微妙ですが、カクヨムロイヤルティプログラムで表示される広告側からの話を書いてみようと思います。

 こんな書き方をすると「何のこっちゃ?」と思われるかもしれませんが、要するに。

 カクヨムロイヤルティプログラムも含めて、WEB広告を出すことが効果的か否か、という話です。まあ効果的だと思えばこそ、広告主の方々は広告を出してくださるのでしょうが……。

 ちょっとした数字的なデータを披露してみようと思います。私自身は広告主そのものになったことはないのですけどね。

 カクヨムロイヤルティプログラムやカクヨムリワードに関するエッセイは数あれど、表示される広告側のデータというのは珍しいと思います。


 あらかじめお断りしておきますが、近況ノートや他のエッセイで書いたネタの使い回しです。当時のデータにその後のデータを加えて、まとめ直した形です。私の他のエッセイや近況ノートまで読んでくださっている方々は「ああ、あの話か」と思われることでしょう。

 そうでない方々のために、少し説明を。


 前々回『カクヨム投稿作品ではなく他サイトで連載中の作品の原稿です』とか、前回『私が現在よそで連載している作品には、担当様やイラストレーター様がついてくださっている長編もあります』とか書いた作品。「ノベリズム」という小説投稿サイトと契約した作品なのですが、その「ノベリズム」は、WEB広告やテレビCM、駅構内のデジタル広告などを使って、掲載作品の宣伝をしてくださっています。

 もちろん、全ての作品を広告してくださるわけではありません。広告を出すには、お金もかかりますからね。一般投稿作品ではなく、有料で掲載されている作品のみです。

 しかも『有料で掲載されている作品』の中でも一部のみ。特にテレビCMは、看板作品であろう1作品のみでした。駅構内のデジタル広告の形で宣伝されている作品も少ないようです。

 それらふたつに比べれば、WEB広告作品は多い方でしょうか。確か、最初にいくつかの作品がWEB広告として表示されたのは、昨年の12月の半ばでした。普通にカクヨムを利用していたら、自分がお世話になっている「ノベリズム」の小説が広告表示されたので「おっ!」と驚いたのを覚えています。

 カクヨム内で広告として別の小説投稿サイトの作品が表示されるのって、なんだか面白いですよね。よくよく注意してみれば、カクヨムロイヤルティプログラムの広告で別サイトへ誘導されるケースは、それなりに多い気もしますけど。

 当時、私は「いつか私の作品も広告表示されないかなあ? 看板作品でもないし、売上が良い作品でもないけど、いつかは順番が回ってくるかも……」と淡い期待を抱いてしまいましたが、この段階では、まだ『淡い期待』に過ぎませんでした。


 その期待が現実となったのは、それから3ヶ月後の2月17日。しばらく見なくなっていた「ノベリズム」作品の広告がまた出るようになり、しかも以前とは異なる作品が広告化されていた中で、ついに出てきたのですよ! 私の小説の広告が!

 いやもう、あの時の興奮は、まさに筆舌に尽くし難いものでした。

 そもそも私は、書籍化作家ではありません。紙媒体どころか、電子書籍の出版経験すらありません。「ノベリズム」における有料連載のみであり、この春のカクヨムのイベント――参加タグが一般枠とプロ枠に分かれていたKAC2021――の際カクヨム運営にお問い合わせして確認したら「あなたの場合は一般枠です」と言われたくらいです。

 そのようなアマチュア作家ですから、自分の小説がWEB広告として表示されるなんて――しかもメインで使っているカクヨムで出てくるなんて――、おそらく人生最初で最後の機会でしょう。


 嬉しくてスクショしようと思いましたが、失敗しました。というのも、「ノベリズム」作品のWEB広告は4ページ構成の広告であり、30秒くらいでページが切り替わってしまうシステムだったからです。

 最初の3ページは作品のカラー挿絵を利用して物語紹介、そして最後の4ページ目は、表紙絵を枠の大きさに合わせて一部カットして使用。これが基本フォーマットなので、興奮さめやらぬ状態で見ていたら、もう最終ページになっていました。一応そこだけスクショしておきましたが、でも表紙絵よりも、物語紹介の部分こそ保存して確認したかったのですよね。

 私の作品は主要キャラが男1人と女4人なので、これが最初の3ページでどう配分されるのか、そこが気になっていたのです。私個人の妄想としては「1枚目で主人公、2枚目と3枚目で2人ずつ掲載してもらえたら、不公平感もないはず」なんて考えていましたが、広告は広告制作会社が作るものであり、作者も担当様もイラストレーター様もノータッチ。出来てからのお楽しみ、という状態でした。

 それでも夢見るだけは自由ですから「その場合に使われる挿絵5枚は、これがぴったりじゃないか?」などと、今までの挿絵から頭の中でイラスト選びもしていました。同時に「でも3ページに5枚も詰め込むとゴチャゴチャするから、それぞれ1枚ずつかな? ヒロイン4人のうち2人は除外されるかな?」とも心配していたのですが……。


 スクショできなかったので細部までは確認できなかったとはいえ、一応チラッとは見えたので、それぞれのページでどの挿絵イラストが使われたのか、なんとなくわかりました。

 実際には、5枚どころか6枚! 作品が変身ヒーローものなので、1ページ目の主人公も、変身前と変身後という形で2枚の挿絵を使っていただきました。2ページ目と3ページ目を使って、ヒロインも4人全員紹介していただきました。ヒロインのイラスト4枚のうち2枚は私の想像通りであり、残り2枚は違うものでしたが、後々になって構図の角度などを考えてみたら「なるほど!」と納得できる選択でした。さすがプロの仕事ですね。


 なお、数日以内にまたカクヨムロイヤルティプログラムの枠で同じ広告を見ることが出来て、その際は何度も表示されたので、しっかり4ページともスクショできました。スクショ保存した画像を穴のくほど観察した結果、物語紹介の部分の文字色や簡潔な説明なども、見る者の印象に残るよう、うまく作られていると感じました。

 実際、同時期に広告表示されていた他の方々の作品を「面白そう!」と思って、新たに読み始めたくらいです。これぞ広告効果ですね。


 ならば、私の作品を「面白そう!」と思ってくださる方々もいたはずであり……。

 さあ、本題である数字的なデータです。

 WEB広告が出たことでWEB小説のPVがどれくらい増えるか、という話です。


 私の作品は10月13日から一週間かけて無料パート18話を掲載、その後ほぼ毎週6日のペースで、19話以降の有料パートを更新する、という状況でした。

 だから2月下旬の時点では、連載を始めてから約4ヶ月。確か総PVは1,300か1,400くらいだったと思います。

 感覚として、毎日のPV増加は1桁。たまに2桁増加で「きっと今日は新規読者様が無料パートをまとめ読みしてくださったのだろう」と大喜び、という程度でした。

 それが突然、毎日のPV増加が3桁になり「これって、私の作品も広告化されたのでは?」とドキドキソワソワしているタイミングで、私自身がカクヨムで広告を確認する形になりました。

 この『毎日のPV増加が3桁になり』という話。

 もう少し正確な数字が欲しくて、毎日夕方のPVを記録してみました。括弧内は前日からの増加分です。

 最初の数日分の『毎日のPV増加が3桁になり』が含まれていないので、始まりの時点で1,900くらいになっています。


 水曜夕方 1898PV

 木曜夕方 2464PV(増加分566)

 金曜夕方 3457PV(増加分993)

 土曜夕方 3782PV(増加分325)

 日曜夕方 4063PV(増加分281)

 月曜夕方 4219PV(増加分156)

 火曜夕方 4494PV(増加分275)

 水曜夕方 4688PV(増加分194)

 木曜夕方 4834PV(増加分146)

 金曜夕方 4979PV(増加分145)

 土曜夕方 5100PV(増加分266)

 日曜夕方 5201PV(増加分101)


 毎日のPV増加が3桁だったのは、ここまで。

 おそらく、広告表示期間が終わってしまったのでしょう。

 この先は……。


 月曜夕方 5247PV(増加分46)

 火曜夕方 5255PV(増加分8)

 水曜夕方 5272PV(増加分20)

 木曜夕方 5310PV(増加分38)

 金曜夕方 5339PV(増加分29)

 土曜夕方 5363PV(増加分24)

 日曜夕方 5386PV(増加分23)

 月曜夕方 5412PV(増加分26)

 火曜夕方 5458PV(増加分46)

 水曜夕方 5504PV(増加分46)

 木曜夕方 5520PV(増加分16)

 金曜夕方 5548PV(増加分28)

 土曜夕方 5573PV(増加分25)

 日曜夕方 5595PV(増加分22)

 月曜夕方 5615PV(増加分20)

 火曜夕方 5633PV(増加分18)

 水曜夕方 5646PV(増加分13)

 木曜夕方 5665PV(増加分19)

 金曜夕方 5675PV(増加分10)

 土曜夕方 5693PV(増加分18)

 日曜夕方 5707PV(増加分14)

 月曜夕方 5741PV(増加分34)

 火曜夕方 5750PV(増加分9)


 というように、毎日のPV増加は1桁あるいは2桁に戻りましたが、それでも『1桁』より『2桁』の日が多いのは、広告から来た新規読者が少しは定着してくださったのかもしれません。


 上記数字で見ると、1日あたりのPV増加として驚くのは「金曜夕方 3457PV(増加分993)」。

 993ということは、ほぼ1,000。4桁の大台ですからね。1桁が通常運転だったのに4桁近くだなんて、インフレなんてもんじゃありません。これぞ広告効果なのでしょう。

 そして総PVで驚くのは「日曜夕方 5201PV(増加分101)」の辺り。広告が出る前の総PVを1,300か1,400くらいだったとすれば、4ヶ月かけたPVが、わずか2週間程度で一気に4倍くらいになったことになります。こちらの方が、広告効果の凄さとしてはインパクトあるでしょうか。


 このように、カクヨムロイヤルティプログラムで表示されるWEB広告は、広告を出す側から見ても、ものすごく効果のある代物しろものなのです。

 特にWEBゲームやWEBコミックのように、広告をクリックしただけで商品ページへ飛べる形式では、効果が大きいのでしょうね。私の作品の場合も、WEB広告をクリックしたら「ノベリズム」の作品ページへ飛べる形でしたから。

 そうやって考えると、このような「広告をクリックするだけで商品販売ページに繋がる」形式のWEB広告が増えてきたのも納得ですが……。

 ならば、電子書籍も同じ理屈で行けるはずですよね。

 そして電子書籍といえば、カクヨムはBOOK☆WALKERと提携しているので、カクヨムユーザーの中には、個人で電子書籍を販売している方々も結構おられるはず。

 そういう方々は、WEB広告を出してみたら、作品のダウンロード販売数が急増するのではないでしょうか?

 そうしたWEB広告がカクヨムロイヤルティプログラムで表示されれば、広告費が回り回ってカクヨムリワードの一部にもなりますから、カクヨムロイヤルティプログラム参加者にとってもお得です。もちろん広告を出す側も、それで売り上げが急増すればお得です。

 私自身が個人で広告を出したわけではありませんし、私の作品は電子書籍ではなく有料のWEB小説。少し事情は異なるはずであり、やや無責任かもしれませんが……。


 こうしてデータを提示することで、

「カクヨムロイヤルティプログラムで表示される広告を、あなたも出してみませんか?」

 と勧めるお話でした。

   

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私のアドスコアは広告表示PVの約2倍 烏川 ハル @haru_karasugawa

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