1PVあたりのアドスコアやリワードが多いということは

   

 前回ラストで『なぜ私の「1PVあたりのアドスコアやリワード」は多めになっているのか。それについて、次回以降で考察しようと思います』と大仰な書き方をしましたが……。

 期待を持たせたのであればごめんなさい。ごくごく当たり前の考察しか書けません。


 エッセイや近況ノートなどでカクヨムリワードに関する記述を拝見すると、アドスコアとリワードの比率は、文字数依存のようですね。私の場合も、これが理由なのだと思います。

 おそらく私は、平均よりも1話あたりの文字数が多いタイプなのでしょう。


 現在は違いますが、もともと私は「1話あたり1万文字前後」を基準に書いていました。今ではこれを「WEB小説としては長すぎる」と認識していますが、当時はそうは思っていませんでした。

 WEB小説であっても小説は小説、本当は紙で発表したいけれど出来ないからやむを得ずWEB投稿している。そんな感覚で書いていたから長めだったのかもしれません。紙の本ならば、それほど短い区切りはありませんからね。

 紙感覚だけでなく、内容的に「毎回のエピソードの中で起承転結を作りたい」という意識で書いていたのも、各話が長くなる理由だったのでしょう。毎回それなりにオチをつけないと気が済まない性格……と言ったら言い過ぎですが、そんな感じです。


 少し創作論っぽい余談になりますが。

 長編連載で重要なのは、ひとつのエピソード内で内容をまとめることよりも、次のエピソードを読みたくなるような場所で区切ることなのでしょうね。

 私が現在よそで連載している作品には、担当様やイラストレーター様がついてくださっている長編もあります。ただし担当様は一切ダメ出しをせず、自由に書かせていただけるシステムなのですが……。初代の担当様が「ひとつアドバイスです。各話のヒキを心がけてください」と何度かおっしゃっていたのを、よく覚えています。

 よほど私の『ヒキ』には問題があったのかもしれません。その作品、自分で読み返してみても、序盤はエピソード内でオチがついて、気分的にもほっこり落ち着いてしまうことが多いのですが、だんだん「ここで区切るのか? 続きはどうなる?」的なエピソードが増えてきた気がします。といっても、作者自身だからこそ「続きはどうなる?」と気になるのであって、読者目線で同じように感じていただける保証はないのですけどね。

 とにかく、おそらくプロの編集者が重視するのも各話のヒキなのだろうな、と考えさせられたのでした。


 話を戻します。

 そんなわけで、かつては「1話あたり1万文字前後」で書いていた私です。あくまでも基準であって、1万文字を大幅に超える場合もあるほどでした。例えば、初期の作品である『「ウイルスって何ですか?」――ウイルス研究者の異世界冒険記――』では、第一章ラストに相当する「第十七話 ウイルスって何ですか?」が約1万7千文字になっています。当時は「内容的に、区切りようがない!」という思いで、こんな形になってしまいましたが……。

 今ならば、無理にでも分割していたでしょうね。


 そもそも。

 先ほど『もともと私は「1話あたり1万文字前後」を基準に』と書いてしまいましたが、この『もともと』というのは、オリジナル小説を投稿するようになった時期の話。「小説家になろう」に登録した頃の話です。

 私の場合、それより前に二次創作小説の投稿サイトを利用していた時期があって、さらに前には『投稿』ではなく自分個人のホームページでオリジナル小説を公開していた時期もあります。

 発表の場としては個人サイト、投稿サイト、投稿サイトという変遷ですが、小説のジャンルとしてはオリジナルから二次創作に移って、またオリジナルに戻ってきているので、少々ややこしい執筆歴です。

 個人サイト時代も二次創作時代も、どちらも完全に趣味の活動であり、1話あたりの文字数は全く意識していなかったのですが……。一度、1話完結の二次創作で約8万文字の作品を投稿して、読者から「さすがに長すぎます」という感想をいただいたのを覚えています。だから『もともと』以前に、私の文字数感覚は少しおかしかったのかもしれません。


 最近の私は、長編を書く場合、1話あたり3,000文字前後を基準にしています。もしかすると、これでもカクヨムでは長めの方なので「1PVあたりのアドスコアやリワード」が多めになるのかもしれませんね。

 短編では文字数は意識せず、内容的に区切っています。だから1話あたり数百文字の短編も結構あるかもしれません。逆に長い方では、かつては数千文字以上の1話完結もありましたが、最近は長すぎないところで区切りたいと思うようになりました。


 このように、私の投稿作品の文字数はバラバラなので、毎月の「アドスコア/PV」もバラバラになるのでしょう。前回までに示したように、私の場合「アドスコア/PV」が約1.5から約2.5ですから、かなりバラつきありますよね。

 必要条件と十分条件が逆な気がしますが、この『毎月の「アドスコア/PV」もバラバラ』というのは一応、「アドスコア/PV」が文字数依存であることの傍証になるかもしれません。


 以上のように、アドスコアは文字数依存である、と考えていくと。

 私のように「アドスコア/PV」の数値が大きいのは、あまり良いことではない気がしてきました。「アドスコア/PV」で見るから効率が良いように思えても、「アドスコア/文字数」で考えれば得でもなんでもないわけです。

 例えば、3,000文字2エピソードと6,000文字1エピソード。「アドスコア/PV」で見ると、PVが少ない分だけ後者の方が大きな数字になるはずですが、それは分母が少ないからに過ぎません。見かけ上の数字に過ぎないわけです。「アドスコア/文字数」で見たら同じになるか、あるいは逆転する可能性だってあるでしょう。

 それに「PVが少ない」という時点で、小説投稿サイトでは損ですよね。ランキング評価のシステムの詳細は不明ですが、フォローも星も入らない日にジャンル別日間ランキングに入ることもありますし、応援ハートあるいはPVだけでも評価の対象になるはず。ならば、エピソード数を多くした方が、色々と有利なような気がします。

 そんなことを考えてしまうと……。

 このエッセイの主題である「1PVあたりのアドスコアやリワードが多い」という話。これは誇れる点でもなんでもなく、むしろ嘆かわしい話に思えてくるのでした。

   

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