サクッと読める、奇譚集

素人作家の主人公・紫桃は、妖を寄せ付ける体質を持った友人・神路祇(通称、コオロギ)から不思議な体験談を聞き、ホラー小説を書いている。

ホラー小説の魅力って何でしょう?不運な出来事、バッドエンド、恐怖の展開、後味の悪さ、ドキドキ感やハラハラ感。だけど紫桃の書くホラー小説はなぜか怖くなく、コメディになってしまうという…

とても面白かったです!読者を意識した独特な文章で不思議な読み心地を味わえます。エッセイのような雰囲気もあって、紫桃の思考をのぞいている感じです。

普段はふわふわした空気感を持っているコオロギですが、読み進めていくと意外な一面がたくさんあって、その人柄がクセになります。紫桃のツッコミもテンポ良くて好きでした。

また、幽霊というモノに対する解釈なども非常に興味深く、すごくワクワクさせられます。ゆるく、楽しく、サクッと読める、不思議な物語。ぜひ読んでみてください!

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