頭をよぎるのは古い歌謡曲のフレーズ

『女は海』
それは生命の源であり、破壊的な奔流。
時に穏やかで温かく、時に冷たく底を知らない。
一人の男にナプキンの帆を張らせペンのオールを漕がせ、気まぐれな波で弄ぶ。
誰かはそれを悪だと非難するかもしれない。
しかし海がなければ、帆もオールも腐らせてしまうだろう。
男の航海の先が幸福か破滅かは分からない。
けれどただ朽ちていくはずだったこれまでに比べれば、それはとても幸せなことなのかも知れない。

そんなことを感じさせてくれる物語でした。

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