エピローグ
「終わったな。……これからどうするんだ、アキハル?」
夜明け前の港で煙草をふかしながら、ゴリラが尋ねてきた。
その瞳には、初めて会ったときのような
「それなんだけど、お前ドラムやらね? ちょうどメンバー欠けてたトコだし」
「生憎だが、私には為すべきことがあるのでね。失われた森林の再生活動……何年かかるか分からないが、いつか必ず取り戻さなければいけない」
彼は
「短い間だったが、刺激的だったよ。またいつか共に
「メランコリーだゼ」
遠ざかるゴリラの背を見つめながら、また一人になっちまったな、と俺は思った。
だが――どうせ人間は一人で生きて、一人で死ぬしかないのだ。
だから今、この瞬間を全力で歌い続けていくしかない。
それが俺の
「これは聖戦である! 我らが
なにやら騒がしい方向をみれば、
彼と視線が合い、俺は思わず微笑んでしまう。
「やれやれ」
ギターケースから
「メランコリーだゼ」
どうやらこの俺が、そうアキハルが、アーティストとして本格的に活動する日は――どうやらまだ、遠い日の話になりそうだった。
アキハル the legendary true poppa 神崎 ひなた @kannzakihinata
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