6.アンストッパブル・モンスター
そしていくつかの時が過ぎ去り――決戦の日がやってきた。
――エメラルド・グリーンの
「ジェニー・ウォーカーは
ヴォルカリリスは戦闘狂の才を発揮し、
すべては順調に進んでいた。だが、全ては失われた。
黒死病のマスク、シルクハット、タキシード――そして両手には、雄々しく反り返った
「これ以上、悲しみを連鎖させるわけにはいかない。よって
「ようやくラスボスのお出ましか? やれやれだぜ」
「ああ、主要な幹部連中はすべて殺した。残るはヤツだけだ。
「負けられないゼ」
俺は
「遅いですねぇ!」
足元からカラスの鳴き声――
「足の腱を斬らせていただきました……キミたちにはぜひ
「この世は悲しみに満ち溢れている! 人はいつどんな時でも怒り、嘆き、そして争う運命にある。どれだけ世の中が平和でも、これは決して変わらない不文律なのだ。喜びがある限り悲しみが生まれ、争いはいつも些細な怒りによって起こり、欲望は決して満たされず、ちっぽけな嘆きに振り回される……分かるかい? 生というのは、地獄なんだ」
お前はコウノトリに義務教育を教わってこなかったのか?
「人類はどうしようもなく救えないのか? 否! 全員が甘い夢に浸かってしまえば解決するんだよ! すごいだろう!? さぁ、みんなで甘い夢を見よう! 辛いことも苦しいことも悲しいことも全部全部忘れて、
「……
「耳を貸すなアキハル。この男は
「さぁ! キミたちにも一度味わってほしい!
エメラルド・グリーンの
――そうやってすぐ回りが見えなくなるから、足元を掬われる。
「死ねぇェェェェェェッッ!!」
「オゴァーーーッッ!?」
俺は
「バ、馬鹿な。
「俺は
「とてもコワイ。キミは狂っている」
俺は地面に転がった注射を拾い上げ、
「どんな高潔な人間だろうと堕落するんだったか?」
「やめろォ! やめてくれェ!
「
「や、やめ……オゴゴゴ!? なんということだ!? あれは金色のピラミッド!? 聴こえる、聴こえるぞ!
「
ゴリラの呟きが、夜の帳に吸い込まれて消えた。
「
俺は死んじまった
そして、
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