タイムスリップ感に酔い痴れる抒情詩集

旧仮名遣ひの旗手が贈る傑作詩集です。

舞台も登場人物も多彩ながら、讀み手は何処か見知らぬ異邦のやうな幽玄の境地に勾引かされます。

上田敏や堀口大學の古典的名訳を読んでゐるやうで、其れでゐて現代に連なる感性も受け取れる、實に不思議な読後感。詩が持つ本来の多様性と自由奔放な文藝の在り方を想ひ起します。

此のタイムスリップ感を味わられよ。