彼女は走り出す。心の赴くままに、好きな人を好きでいる自分であるために。

 主人公のしずかは、オーストラリアの大学に通う大学生。
 ある日、友人でありルームメイトのルーシーがパーティを開き、参加していたピエトロという男性と出会います。お互い初対面でしたが、話しているうちに何となく惹かれ合いそのまま夜を明かします。

 翌日、彼女はピエトロと連絡先を交換しないまま別れてしまったことに気づきますが、パーティを主催したルーシーも「知らない」そうで、彼との連絡手段が途絶えてしまうのです。
 とはいえ、しずか自身も特別彼を探し出したいわけはなく、何となくまた会ってみたいという気持ちを抱いたまま過ごします。

 その一週間後。とある展示会に行った際に思いがけずピエトロと再会し、彼女は少しずつ彼と心を通わせていくのです。

 何となく二人が上手くくっつきそうな話ではありますが、様々な事情が複雑に絡み合ってどうも上手くいかないようで……?

「好き」という気持ちはお互い同じでも、人の世界で生きていくためにはその気持ちだけでは済まないのがこの社会で、そこにある障害(と思われること)も含めて乗り越えていかないといけないのかもしれません。

「好き」を貫き通すことの難しさが詰まった作品。
 気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。

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