主人公のしずかは、オーストラリアの大学に通う大学生。
ある日、友人でありルームメイトのルーシーがパーティを開き、参加していたピエトロという男性と出会います。お互い初対面でしたが、話しているうちに何となく惹かれ合いそのまま夜を明かします。
翌日、彼女はピエトロと連絡先を交換しないまま別れてしまったことに気づきますが、パーティを主催したルーシーも「知らない」そうで、彼との連絡手段が途絶えてしまうのです。
とはいえ、しずか自身も特別彼を探し出したいわけはなく、何となくまた会ってみたいという気持ちを抱いたまま過ごします。
その一週間後。とある展示会に行った際に思いがけずピエトロと再会し、彼女は少しずつ彼と心を通わせていくのです。
何となく二人が上手くくっつきそうな話ではありますが、様々な事情が複雑に絡み合ってどうも上手くいかないようで……?
「好き」という気持ちはお互い同じでも、人の世界で生きていくためにはその気持ちだけでは済まないのがこの社会で、そこにある障害(と思われること)も含めて乗り越えていかないといけないのかもしれません。
「好き」を貫き通すことの難しさが詰まった作品。
気になる方は読んでみてはいかがでしょうか。
オーストラリア在住の日本人シズカの視点から描かれる、『愛』を巡ってのストーリーです。
シズカの初彼氏ピエトロや、親友ルーシー。
日本に帰国してからの彼氏新島さんなど、それぞれのキャラクターに魅力があってかなり愛着が湧きました。
よって、最終的なシズカの選択は衝撃でしたけども、これも『愛』という概念の元では仕方ないのかな、とか思いました。
うん。頭で考えて理屈っぽく考えてもダメなのが人間の心であり愛ってものですよねぇ。
この作品はとても大人向けの話だと思いました。
愛で悩んだら、一読されてみてはいかがでしょうか? きっとあなたの心の中にも大切な何かを残してくれるはずですよ!
主人公のしずかは十六歳の時に親の転勤でオーストラリアにやってきます。
日本の学校に馴染めなかったしずか。オーストラリアでも嵌りきらず、自分に自信が持てません。
大学卒業間近でも就活は苦戦中。帰国期限も迫っていて焦っています。
そんな時、同居人で親友のルーシー(中国人)の誕生日パーティーで、ピエトロ(イタリア人)と出会います。
互いに違う祖国を背景に持つ二人でしたが、アッと言う間に恋に落ちました。
けれど、好きなことに真っすぐで不安定な生活を苦に思わないピエトロと、不安定な今の自分を好きになれないしずかは、互いの将来像の違いからすれ違います。
しずかはやがて帰国の日を迎えますが……
悩みながら自分らしさを探し求める等身大のしずかの姿に、きっとみなさんも共感されると思います。
そして題名に込められた『最高のシナリオ』を思い描けるのか、近づいていかれるのか。
様々な人種のるつぼメルボルンの持つ厳しさと寛容さも伝わってきて、あなたの自分探しを、きっともっと自由な角度から後押ししてくれると思います。
是非読んでみてください。